enjoy!

いや、散らかりすぎだろ!!
人のこと言えねぇけど!!!

 「強引過ぎますよ、一ノ瀬さん!!」

なんなんだ、この人…。
ただのチャラ男じゃなかったのか!?

 「座れ!」

 「座る場所ないでしょ!?」

足の踏み場もないよ、ここ!
ああ、もしかして皆散らかされるのが嫌で
一ノ瀬さんが1人部屋になったのか?

 「…まぁ、アレだろ?
  笹嶋が愛華ちゃんに告ったってヤツだ
  ろ?」

なんでこんなことまで知ってるんだ!!

 「…なんでもいいじゃないですか。」

 「よくねぇよ。
  オレも笹嶋のやり方にはちょっと…。
  なんか、アイツ最近…焦りすぎてるんだ
  よ。」

 「え?」

焦りすぎ…?
笹嶋なんて、いっつも冷静沈着で完璧なんじ
ゃ…。

 「優勝候補だとか騒がれてるけど…。
  アイツは誰よりも努力してるんだよ。
  でも…合宿中のアイツのプレーは…なん
  か…。」

笹嶋さんは、完璧な人だとずっと思い込んでた。
イケメンで、頭もよくて、テニスも上手くて…。

 「愛華ちゃんのことだって…。
  アイツ、焦りすぎだよ。
  一目惚れとか言ってるけど、本当かって
  感じだし。」
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