enjoy!

 「歩斗、合宿で笑いを学んだな。」

 「都が終わったら、テニス部が漫才研
  究会になるんでしょうね、多分。」

岸先輩が真面目に先生とそんな話をするの
で、あたしは思わず笑ってしまった。

 「よし、出発するぞー!
  忘れ物ないよな?」

そのままバスは出発した。

 「…いや~。
  疲れたね、3日間!」

日花梨先輩が外の景色を眺めながらそう言った。

 「ですよね。
  …でも、楽しかったです。」

あたしはチラッと歩斗を盗み見た。
…ぐっすり眠ってるみたいだ。

 「あたしもだよ。
  いい思い出が出来た。」

日花梨先輩はあたしの顔を見て笑った。

 「これからもいい思い出、一緒に作りまし
  ょうね。
  都で優勝して!」

 「あんたも言うようになったね。」

 「先輩こそ。」

静かな車内にあたしと日花梨先輩のハイタ
ッチの音が響いた。

疲れていたのか、みんなが寝てしまっている。
おまけに先生は二日酔いだし。
< 250 / 267 >

この作品をシェア

pagetop