enjoy!
「歩斗、合宿で笑いを学んだな。」
「都が終わったら、テニス部が漫才研
究会になるんでしょうね、多分。」
岸先輩が真面目に先生とそんな話をするの
で、あたしは思わず笑ってしまった。
「よし、出発するぞー!
忘れ物ないよな?」
そのままバスは出発した。
「…いや~。
疲れたね、3日間!」
日花梨先輩が外の景色を眺めながらそう言った。
「ですよね。
…でも、楽しかったです。」
あたしはチラッと歩斗を盗み見た。
…ぐっすり眠ってるみたいだ。
「あたしもだよ。
いい思い出が出来た。」
日花梨先輩はあたしの顔を見て笑った。
「これからもいい思い出、一緒に作りまし
ょうね。
都で優勝して!」
「あんたも言うようになったね。」
「先輩こそ。」
静かな車内にあたしと日花梨先輩のハイタ
ッチの音が響いた。
疲れていたのか、みんなが寝てしまっている。
おまけに先生は二日酔いだし。