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 「…都で優勝…ねぇ。」

 「夢じゃないですよ、あたし達なら。」

…そんなことを言いつつ、あたしは願っていた。

せめてベスト8…。
そして…関東へ…。
日花梨先輩と全国に行きたい…。

 「4回勝てば確定…か。」

 「そうですよ!」

これからも厳しくて辛い戦いが待ってるのはわかってる。

でも…あたし達はずっと…進み続けるしかないんだよね。

 「もう一回…。
  頂点に君臨してみるか。」

 「…一回じゃないですよ。
  あと3回の間違いでしょ?」

 「よく言うわ。」

自分は強い。
自分の方が上手い。
そう自分に言い聞かせればあたしはいいプレーが出来ていた。

実際、あたしはそんなこと思ってない。
相手が格上でも、格下でも気にしなかった。

 「いつでも全力で…ですよね?」

それがあたしの…。
あたしと日花梨先輩のやり方だった。

 「わかってるじゃん?」

あたし達はいつも…。
高みだけを見据えていた。

でもね、最近わかりはじめたんだ。

頂点が全てなんじゃない。
…頂点に行くまでが全てってこと。

 「あたしは…やりますよ。」

あたしと日花梨先輩の全国への挑戦はもう始まっていた。

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