enjoy!

もう…?
いや、ずっと前から。

もしかしたら生まれる前から決まっていたのかもしれない。
…大げさかな?

 「残り2日…。
  都に向けてがんばるよ、愛華!」

 「はい!」

…あたし達のテニスはまだ始まったばかり。

都大会、関東大会、そして…全国。

さらなる高みへ…。

あたし達は進み続ける。

それしか…今はないから。

あたし達に時間はない。

立ち止まるなんてできない。

こんな気持ちになるのは何年ぶりだろうか?
…もしかしたら初めてなのかもしれない。

この人についていきたい、この人と組んでいたい。
そんなことを思ったのは日花梨先輩が始めてだ。

日花梨先輩はあたしに色んなことを教えてくれた。

…だから今度はあたしの番。

日花梨先輩に全国の頂点をプレゼントする。

これがあたしにとっての精一杯の気持ちだから。

…あたしはやる。

全国まで這い上がってみせる。
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