enjoy!
 「いつかはいなくなるって思ってたけ
  ど、こんなにすぐいなくなっちゃう
  なんて…。」

あたしがそう呟くと、蓮は小さく頷いた。

 「だよな。
  先輩がいなくなっても、いままでみた
  いな部活をやっていきたいです。」

蓮はそう言って、あたし達への取材を締め
くくった。

それから、たくさんの質問をされたけど…
あんまり覚えていない。

 「…じゃあ、今回はこの辺で!
  ありがとうございました!」

 「ありがとうございましたー!!」

広報の柳さんは、取材が終わるとすぐに車で
帰っていった。

会社に戻ってからも、たくさんの仕事がある
んだと思う。

大人って忙しそう。

 「さて、お前ら!!都まで2週間切ってる
  んだぞ?
  気合入れてけよ!?」

 「はい!」

藤本先生に喝をいれてもらい、あたし達は部活
に向かった。

 「あ、そういえば…。」

あたしはコートに行く途中に足を止めた。
まだ、歩斗と先輩にクッキーを渡していなか
ったんだ。

 「どうした?」

歩斗が立ち止まって振り返る。

 「あのね、歩斗!
  調理実習でクッキー焼いたんだけど…。」

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