enjoy!
なんかあったってわけじゃなくて、
なんていうか…。

 「…なんでもない。
  なんとなるから!」

あたしは蓮を見て笑った。

 「ならいいんだけどさ。」

あたしの頭を軽く叩いて蓮は少し笑っ
た。

 「あ…。愛華!」

 「え?」

 「歩斗がオレにクッキーくれたんだ
  よ。
  オレは愛華の焼いたクッキーしか食
  べないって。」

蓮はそう言うと、ラケットケースから2つ
のクッキーの袋を取り出した。

 「え…?」

状況がイマイチ理解できていない。

 「こーゆーのはやっぱり愛華から貰い
  たいんじゃね?」

蓮がクッキーを投げて渡してきた。
クッキーにはチョコペンで“歩斗クンへ”
って書いてある。
…しかも、手紙つきだ。
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