enjoy!
やっぱり、少し残念だった。
 
 「じゃ、見たいテレビあるから帰る
  わ!
  おつかれさん!」

 「うん。おつかれ。」

少しテンションが下がり気味のあたし
はエレベーターに乗り込む。

歩斗と一緒に乗ればよかったのかもしれ
ない。
知らないおじさんと2人きりなんて気まず
すぎる…。

 「お姉ちゃん、4階だよ?」

 「あ、すみません。」

あたしは、おじさんに軽くお辞儀してか
らエレベーターを降りた。

 「ただいま!」

 「おかえり~。ご飯できてるよ!」

ピンクのエプロンをしたママが笑顔で
そう言った。

 「うん!」

 「そういえば、今日は歩斗来ない
  の?」

 「え…あ、うん。」

 「ふーん。そっか!
  いっぱい作ったんだけどな…。」

あたしの表情が曇ったのを感じたの
かママはそれ以上は何も聞いてこな
かった。  
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