enjoy!
 「お前が掃除したら、逆に散らかる
  から!」

あたしの部屋のソファに腰掛けながら
歩斗はそう言った。

 「そんなことないから!
  ちゃんとやるし!」

 「…サンキュ。」

…歩斗の優しい笑顔。
見ているこっちが恥ずかしくなって、
あたしは顔を伏せてしまった。

 「べ。別に…。」

なんであたし緊張してるんだろ?
相手は歩斗じゃん。

 「あー!!!」

あたしは歩斗の叫び声に驚かされた。
 
 「え?なに!?」

 「お前、コレ…!!!」

歩斗はあたしの机に置いてあった写真
を持っている。

 「ああ…。なんか一緒に写真撮らな
  いって言われて…。
  西地区の人だったかなぁ?」

あたしは地区予選で優勝したあと、あ
る1人の男子に声をかけられていたの
だ。
西地区で優勝した人で名前は知らない
けど、結構カッコイイ人だった。

 「この人、佐倉中の笹嶋さんじゃん
  !
  お前、こんな人と写真なんて…。
  ズルイ!!」

 「その人って、そんなにスゴイ人な
  の?」
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