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 「…歩斗。」

 「ああ…おかえり。」

最初に口をひらいたのは愛華だった。
オレは混乱してそっけない返事しかでき
ない。
 「…ねぇ?なんで今日、蓮と2人で帰
  っちゃったの?」

聞かれると思った。
てか、やっぱオレ最低じゃねぇか?

 「試合のことでちょっと。」

しかもこのダサい言い訳。
オレらしくない…。

 「あ、そうなんだ…。」

愛華がマンションへと入っていこうとし
た。
オレは思わず愛華の手を掴んだ。

 「オレ、愛華に嫌がらせとかするヤツ
  許さねぇから!」

 「え?」

愛華はきょとんとした表情をしている。
やっぱ、いきなりこんなこと言うのは変
だったかな…。

 「…野中先輩にはオレから話つけてき
  た。
  だから、もう安心しろ!」

 「…ありがと。」

愛華が笑顔になった。
オレはそれだけで幸せだ。
なんか恥ずかしくなってにオレは愛華を
軽くこづいたけど…。

…コイツの笑顔を守りたい。
悲しい思いはさせたくない。
…させちゃダメなんだよ。
 
 
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