Love.Love.Loving!
な、なんで笑うのよぉ…。
これでも怒ってるんだからね…。
花が咲いたような笑顔にキラキラ輝くブラウンの瞳。…なに?あたし、そんなに怒ってないように見えるの?嘘だって思ってる?
希唯君の表情を見てそう思ったあたしはさらにムッ。それでも希唯君は無邪気ににこにこ笑顔。
『…っ!』
んな、な、ドキドキなんかしてないんだからっ。
なーんて、強がってはみるけど実際、希唯君の無邪気な笑顔に心臓は煩く脈打ってる。かあっと顔に熱が集まるのがわかった。
そんな、顔で。怒ってると言って、睨んでみても迫力の欠片すらないだろう。
現に希唯君にきいてないし。ていうか、あたしが怒っていることはどうでもよさそう。
「香彩ちゃん、俺の名前知ってたんだ」
『…え?う、うん…』
「へへっ。すんげぇ嬉しい!」
『(ぬあ…っ!)』
ひ、卑怯だ!希唯君卑怯!
怒っているのに、希唯君が笑顔を咲かせた理由は、あたしが希唯君の名前を知ってたからだったってことは今のセリフで理解できた。
そのあとににかっと満面の、本当に嬉しそうに咲いた笑顔。