Love.Love.Loving!
それ、に。
大きく心臓が跳ねたのは言うまでもない。
目をこれでもか!ってぐらい大きく開いて、メーター越えの体温はもう上がらないと思っていたのにさらに上昇。
…あ、スライムになっちゃうやばい。
変わった体勢にびっくりするあたしはなんでこんな格好になってるの?って、聞きたいのに、聞けない。
もう本当にスライムになってしまいそうで。頭の芯が、身体の芯が溶けるような感覚。
さらに上がった体温のおかげでくらり、う、あー、目眩、が。希唯君の顔がまた霞んで見える。
「こっちの方がいいでしょ?」
『…、』
「香彩ちゃん?」
『………う、ん』
「(…っぬは!やっば…っ)」
やっぱ、いいや…。変わった体勢を気にしている余裕なんかない。
気持ち悪すぎて、熱すぎて、くらくらで。今はこれを早くなんとかしてほしいよ。……お言葉に甘えてちょっと寝よっか、な。
希唯君がなにか言ってるけど、なに言ってるのかわからないからとりあえず〝うん〟だけ返しておく。
ごめんね。これが精一杯なんです。
すり、と、希唯君のワイシャツに頬っぺたを寄せる。甘い匂いが鼻腔を擽る中で目を伏せるあたし。
「…っ、……バッカ香彩。無防備すぎんだろ。食っちまうぞ」
そんなあたしに顔を赤くしてそう嘆いたことも。
「――香彩、マジで好き」
チュッとおでこに響いた甘い音も。困ったように、でもとろけるぐらいの甘美な表情であたしを見下ろすブラウンの瞳も。
全部、全部すぐに意識を手放したあたしが知らない希唯君の恋情。
最後に希唯君はそっと唇に触れるだけのキスを落として、止めていた足を一歩、動かしたのだった。