Love.Love.Loving!
「もう諦めろ」
――夢を、見た。
好きな人とキスしている、夢。
「…香彩」
付き合う前まではちゃん付けだったのに、想いが通じてから呼び捨てで呼んでくれるあたしの名前。
低くて、優しいが詰まった声でそれを紡いでから、かあって名前を呼ばれただけで赤くなるあたしの頬っぺたに大きな手のひらを添える〝あの人〟。
それから、
「好き」
だなんて、甘い愛の言葉。
目をきゅっと細めながらまるで宝物を見るような瞳であたしを見つめて、ふわりと微笑む。
この時点であたしはもうバタンキュー。卒倒寸前。だけど、〝あの人〟はそれを許してはくれなくて。
真っ赤な顔で、瞳をハートにしてメロメロ〜なあたしをくすり、小さく笑うと、柔らかかった表情を変える。
高校生にはできなさそうな大人な表情。妖艶な色を漂わせながら顔を傾けてそれをゆっくり近づけてくる。
メロメロ〜だったあたしもはっと今からされることに気づいて。
ドキドキ。心臓を煩く騒がせながら、慌ててギュッと目を瞑ったそのあとすぐに重なった唇――ヒヤ…。
………え?〝ヒヤ…〟?
『冷た…っ、』
「あ、起きた」