Love.Love.Loving!
やばい、と。頭が、心が、身体の全神経が揃って訴える。
でも、やっぱりもう遅くて。
熱々の頬っぺたに知っている温かい体温と本当に少しの冷たい金属が触れる。
そのままグイッと顔を持ち上げられてかち合った綺麗でまっすぐなブラウンの瞳。
喉がクッと鳴って、どうしようもなく今、それから逃げたくて仕方がなかった。
「なんで言えないの?」
不機嫌、なのは不機嫌なんだけど、言い方が拗ねた小さな子供みたい。眉間にシワを寄せてムーッとする希唯君がちょっと可愛い。
…って、こんな状況じゃなかったら絶対思ってる。
思えない今が夢ならいいのに、なんて現実逃避をする余裕はない。
とりあえず希唯君に1秒でも見つめられていたくなくて目を逸らそうとする、けど、ブラウンがまっすぐすぎて逸らすことは無理。
相変わらず心臓は煩いし、顔は熱が出たみたいに熱いし、涙はぼろぼろ止まらないし。――胸が、痛いし。
熱い頬っぺたに触れる金属が、苦しいし。
『っ、…ふっ、』
「泣いてないで言ってよ」
『―…んっ、っ、』
「……、…もう。泣き虫」
希唯君のあたしより大きい手が頬っぺたにあるから首を振れなくて、喉が詰まった感じがして声も上手く出せない。
泣くしかできないあたしに希唯君はぽつり、呟くと、綺麗な顔を近づけて距離をゼロにした。
チュッ、と唇に甘いリップ音。