Love.Love.Loving!
さっきまでとは違う心臓を持っていかれそうなそれに、危うく本気で持っていかれそうになった。
不意打ちとかダメだと思う。かなりの殺傷能力を秘めているこの笑顔はとっても危険だということが判明。
その笑顔の所為で、顔に集まる熱の温度が上がったような気がする――いや、確実にぐんと上がった。すごく、熱い。
去っていった男の子に呼び出された場所は学校の中じゃ一番大きい桜の木の下。
さわさわと夏風に木は揺れて、木が大きいからできる日陰も範囲が広い。
お日様の容赦ない光を遮ってくれるその下は夏の暑さを感じないはずなのに、今のあたしは熱くてたまらない。
〝暑い〟んじゃない。
希唯君の所為で〝熱い〟。
『っ希唯、君、離れてよぉ…』
熱さに我慢できなくて、希唯君の所為で熱いなら希唯君から離れればそれもましになるはずだと。
そう考えたあたしは、お願いしながら希唯君の腕を再び離そうとする。
だけど、そう簡単に離れてくれる希唯君ではなくて。
「なに?暑い?」
『…っ、う、うん。だから、』
「ふーん」
『(ふーん!?)離して…っ』
「えー。ギュウしときたい〜」
『やだやだ。したくないー…』
「…んだと?」
ぎゃっ!