Love.Love.Loving!
「俺じゃなくて、他に好きな奴がいるって話!」
そう言うと、さらにムムム…ッと膨れっ面になる希唯君の秀麗な美顔。やはり白々しい態度は希唯君を不愉快にさせたらしい。
口に出さなくても、顔に〝いちいち言わせてんじゃねぇよ〟と怒りマーク数個付きで書いてある。
心の中で絶対舌打ちとかされているに違いない。
そ…、そんなに怒らなくてもいいじゃん!希唯君の短気!怒りんぼ!!怖いよバカッ!!
なーんて、怒らせている原因は間違いなくあたしだけど、怒ってばっかの希唯君に思わずそう言ってしまいそうになった――とか、ヘタレなあたしにあるわけない。
確実に失敗したさっきの白々しい態度で度胸とか根性とかそういう類いのものはあたしの中から消え去った。
今あたしは世界一のヘタレ女に生まれ変わったのだ。
……てっててーん!なんて効果音はいらないですやだ勘弁してください。また涙が溢れてきちゃいますほんと勘弁してください…。
と、一人で世界一のヘタレ女に生まれ変わった悲しみに暮れること数秒(もちろん心の中で、だ)。
希唯君はさらに声を上げた。
「香彩ちゃん俺のこと好きって言ったじゃん!」
『(え!?)い、言ってないよ!』
「信じてくれるんでしょ!?」
『う、うん。信じる、よ…?』
「俺のこと好きってことじゃん」
『(なぜ!?)』