Love.Love.Loving!
さっきまでの小さな子供みたいな拗ねた口調とかとは違う。悪戯に、だけど〝本気〟が混ざった本当の希唯君のそれ。
なにを?なんて、たった三文字口にしようとするのも今のあたしには辛い。口を開いたら胸に募った汚いものが出ちゃいそうだから。
――でも、あたしがこんな風に胸の内を黒く汚していても、エスパーとかじゃないからそれに気づかない希唯君は希唯君で。
あたしが泣きそうになっているのには気づいてるんだろうけど、なんで泣きそうなのか考えていることはたぶんハズレ。
だから、今から希唯君が言うことにあたしは募った劣等感を――汚れた感情を吐き出してしまった。
「香彩が好きなのは俺だ」
真っ直ぐにあたしを見つめる瞳。
相変わらずの自信満々な口調。見せていた悪戯な表情を隠してそこには〝真剣〟の二文字だけ。逸らすことを許さない威圧感を放つ希唯君。
希唯君とあたしは正反対だ。マイナスなことしか考えられないあたしと、プラス思考……というか、絶対にマイナスなことは考えなさそうな希唯君。
あたしがマイナスだからプラスの希唯君が羨ましくて。
だけど羨むだけで、プラスの人間にはなれないって諦めてるから劣等感を感じる。
…最悪だ。
終わってる、あたし。
プラスにはなれないって諦めてるくせに勝手に劣等感感じて、自分にはないものを見せられてそれで八つ当たり、なんて。
ああ、もう。
嫌いだ。大嫌いだ。