Love.Love.Loving!
ふるふると、それが当然でもう決まってるみたいに言いのけた希唯君のをあたしは小さく首を振って否定する。
喉元まで出かかっている汚い感情を抑えるように唇が白くなるぐらいグッと強く噛んで。
できればもうこれ以上なにも言ってほしくない。もっと言えば希唯君に見つめられているのも嫌だ。
――耐えられない。
劣等感でいっぱいで、自分にも嫌悪して、募っていくばかりのそれにまた希唯君の曲がりのない真っ直ぐな言葉が入ってきたらきっと我慢できない。
あたしの好きな人は希唯君だって、嘘をついて認めてしまってもなにも変わらない。
もっとずっと劣等感と嫌悪感、それに足して罪悪感も生まれるから、そんなことしたらあたしはとうとうどうやってもプラスにはなれない人間になってしまう。
なれない、って諦めていても、なりたいとは思う。だって希唯君が羨ましい、って。あたしも、って。思う気持ちはあるんだもん。
だけど諦めてるからあたしはダメで。その結果が今のこの〝劣等感〟。矛盾、しているのだ。
「…、」
首を振ったあたしに対し、なにか反論してくると思った希唯君は意外にもなにも言ってこない。
真剣な顔で、ただあたしを見つめてくる――と、思ったら。ゆっくりと影を落として顔を近づけてきた希唯君。
はっと気づいて、間近にまで迫ったときに『…っや、!』強く噛んでいた唇から零れた声に希唯君の動きは止まった。