Love.Love.Loving!

いつの間に回されたんだ。…って、絶対あたしが希唯君の魅力〜とかなんとか考えていたときだ。

身体を動かされたのに気づかないあたしってばどれだけ深く考え込んでいたんだか。…鈍すぎ?


「香彩ちゃん。あのさ、」


やあー…。近いぃー…。


お腹の次は腰。回っている腕にグンッと身体を希唯君の方に押されて、もはやくっ付いてしまって意味ないけど、希唯君のワイシャツを両手で握り胸だけは当たらないようにする。

だって絶対嫌!

自然と乾いたはずの涙がまた瞳に浮かんでくる。顔が熱に集合をかけることも何回目か。


見上げる希唯君は続きを言葉にした。


「今日から俺の彼女ねっ」

『(…………………………え?)』


たーっぷりと間を置いて頭の中に飛んだのは〝え〟とハテナマークのみ。

あたし、今、すんごいまぬけな顔してると思う。

希唯君のセリフよりも自分の今の顔を冷静に予想するあたしはうん。びっくりしすぎてるんだよ。これでも。

びっくりしすぎて、どうでもいいことを予想して。『嘘!!』時間をかけて出した言葉がこれって…どうなの?
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