Love.Love.Loving!
っていう作戦。
ニッと悪戯っ子のようにそう付け足して笑った希唯君。なに、その作戦。なんかずるい。
でもそんなので流されたりするやわな気持ちじゃないし、〝あの人〟に告白するまではもう一度だって流されたりはしないけど。
希唯君が何回〝好き〟を言ってくれても希唯君の思い通りになんかなったりしないんだからっ。
ていうか、そうだ。
どうしてそこまであたしのことを好きでいてくれるのか。決めつけて自信満々に言い切るのと同じぐらい、いやそれよりもこっちの方が気になって聞きたいこと。
悪いところはちゃっかり7拍子揃ってるくせにいいところは一つも揃っていない自分が何より一番のあたしのなにがいいの?
って、そうは言ってないけどそれを全部含めておずおずと聞けば希唯君は、
「バ香彩」
むにゅっと顎を持っていた手であたしの頬っぺたを摘まんだ。
『い、いひゃ、』
「またそうやってマイナス思考になる。まあ確かにうざいしバカだしアホだしまぬけだし、泣き虫で鈍感で、すんっげー面倒くさいけど、」
『…ひっく、』
「そういうところも全部好き。大好き。ていうか自分が一番大事って、人間誰でもそうでしょ。俺だって香彩ちゃんが一番になる前は自分が一番だったもん」
『……ほん、と?』
「うん?」
『…でも、あたし、そんなあたしが嫌い、大っ嫌いで、響にも奏君にも、…希唯君、にも、〝やな奴〟って思われたくなくて、』
「(……俺より〝響〟と〝奏君〟が先…?)」
『でも、今希唯君に言っちゃった、し、希唯君やな奴って思、』
「ってない」
『え…、』
「思ってない。人間誰でも自分が一番だって言ってるでしょ。香彩思い込みすぎ。いつか禿げるよ。――それより俺、今超ムカついてるんだけど」
そう言って、摘まんでいないもう片一方の頬っぺたもむにゅっと摘む希唯君。