Love.Love.Loving!
あたしに顔を押さえられている希唯君にピキピキッ、と怒りマークが浮き出ているのが見えてしまう。
あわわわ。やっちゃった…!!
今日、この短時間で何回やらかせばいいのか。希唯君を怒らせてしまったあたしはサァーッと青ざめる。
でも、希唯君を止めたことは間違いじゃないとそれは後悔しない。
恋として希唯君を好きじゃないなら拒否するのが当たり前。大事な乙女の唇は自分で守るのが恋する乙女の意地ってやつ。
これ以上希唯君に奪われたりなんかしない。
『だ、だって…!っき、キス、は、ダメなんだもん…』
出だしはちゃんと出てたのに、言いながらなぜか少し照れちゃって徐々にひゅるひゅると小さくなっていった声。
ぽっと頬っぺたも赤くなって、もごもご口ごもるあたしに顔を押さえられたままの希唯君はくすり、一つ笑う。
「…〝嫌〟じゃなくて〝ダメ〟?」
言ってから、顔からあたしの手を離して見せた表情は唇に弧を描いて不敵に笑う意地悪な表情。
言うことも意地が悪い。
意表を突かれたあたしはかあああっと少し赤かった顔が朱に染まって、
『…っ、嫌だもん!』
まさに売り言葉に買い言葉。そんなこと突かれるまで思ってなかったくせに、そう言ってしまった。