Love.Love.Loving!
目が覚める前、夢で見た〝あの人〟との未来予想図を現実でそっくりそのままやってくれちゃった希唯君。
あまりにも夢と同じだから、もしかして希唯君、あたしの夢を覗き見たの!?なんて、恋する乙女には必須の非現実的発想。
って、そんなことをあははーってのんきに笑って思ってられる余裕なんてものは実際今、全くもって皆無なんだけど。
好き、と言われて心臓はもっともっと煩く脈打って、胸はなんでかきゅうううっと締めつけられて。
正直あたし、どうしていいかわからない。
夢の中の〝あの人〟との出来事は、言うなればあたしの願望だ。
こうなったらいいな、っていう憧れで、叶う前にそれを希唯君がやってくれた(ていうかやっちゃった)ていうのはなんだか複雑な気持ち。
希唯君が〝あの人〟だったら、なんて、そんな失礼なことを思ったりもして、だけど希唯君の〝好き〟に身体が反応したのは紛れもない事実。
瞳に映る〝あの人〟じゃない希唯君にあたしの心臓は脈打ってドキドキいってる。
返事…、した方がいいのかな?
そこから夢とは違って柔らかい表情であたしを見つめたままの希唯君にゆっくり、唇を開いて言葉を紡ぐ。
――希唯君は恋愛で好きか嫌いかを聞かれて〝普通〟って答えはないと言った。
だから返事をするなら普通以外の返答じゃなきゃダメだ。
あたしの、答えは――。