Love.Love.Loving!
あたしが上げた一言に希唯君は「嘘じゃねぇよ」いきなり、真剣な表情。
俺の彼女ねって言ったときは語尾に音符がつきそうなぐらい声を弾ませてたくせに。な、なんだよぉ…。
心臓が煩く騒ぐ。バカバカ。ドキドキするな香彩!好きな人がいるんだぞっ。
そう、心の中で自分に叫んでみたって、心臓が静かになるわけじゃない。
これも、たぶん、希唯君の魅力の所為。あたしが悪いんじゃないもん…。
好きな人以外の人にドキドキしているのが嫌で。ブラウンの瞳から目を逸らし、『嘘、だよ…』零れた声はか細く震えた。
「嘘じゃねぇって。俺、香彩のことずっと彼女にしたかった」
『…、』
「だからさっきの野郎にムカついたの」
『…、』
「俺の香彩なのに、って」
『……希唯君のじゃないもん』
「そこだけ言い返すなっつの」
香彩空気読めー。
拗ねたような口調でそう付け足す希唯君。
さっきまでずっと〝香彩ちゃん〟だったのに急に呼び捨てにされてもう心臓は煩くなるばかり。当分の間静まりそうにない。
希唯君の前半部分のセリフが頭の中にこびりつく。