Love.Love.Loving!
――ドキン…ッ、ドキン…ッ
希唯君に聞こえちゃうんじゃないかと思うぐらいにもとから煩い心臓が余計に騒いで普通じゃいられない。
いや、学校の王子様とこんなに接近して触れられている時点で普通とか無理な話なんだけど。
――壊れ、そうだ。
口づけて、ゆっくりとそこから唇を離した希唯君が上目遣いであたしを見れば、心臓はまた一際に跳ねる。
狙ってるんじゃないの、って思う希唯君のその行動に(実際確実に狙ってるんだろうけど)、くらり、くらり。脳が犯される。
はぁ、と漏れる息も自然と熱いものになって、そうしたいわけじゃないのに見つめ返す瞳は潤んでゆらゆら、揺れてしまう。
あたしの頭の中にはいつだって恋しく思う〝あの人〟がいるのに、今は――いない。
瞳にも頭の中にもたった一人、目の前にいる希唯君しか存在してなくて。あたし、おかしい。こんなことってありえないのに。希唯君は違う、のに。
希唯君の所為でおかしくなっちゃったよ…っ。
艶やかな掠れた声で名前を紡がれて、それ以前に希唯君の表情が――瞳が変わったっていつものあたしならとっくに危険信号を出して気づいてるのに。
おかしくなった今のあたしは気づかないで、抵抗も拒絶もなしにいとも簡単に近づいた希唯君に唇を奪われる。
噛みつくようなそれに声も息も呑み込まれて、ギッ、ギッ、と鳴く椅子の背凭れと後頭部に回された希唯君の手に支えられてされるがまま。
くちゅっ、鳴る水音がやけに鼓膜に響いて顔の熱がさらに上がる。