Love.Love.Loving!

どれくらい、経っただろうか。

もしかしたら3分も経ってないかもしれないし、もう10分は経っているかもしれない。

時間の感覚がわからなくなるほどあたしを侵食した希唯君の唇がチュッと音を鳴らして、今度は一瞬ではなく完全に離れていく。

朦朧とする意識の中でそれを名残惜しいな、なんて素のあたしならタコ殴りに値することを思いながら見ていると、不意に希唯君が首筋に顔を埋めてくる。

それからすぐそこにツー…ッと舌を這わせて、チクリと痛みを感じるぐらいきつく吸い上げてくる。

〝ん…っ〟と恥ずかしい声が漏れたあたしに顔を上げた希唯君はにっと悪戯っ子のような笑みを浮かべ、それはそれは満足げに言った。


「仕返し完了」

『(………………へ?)』


仕返し?え、なに…?


長い時間唇を塞がれて酸欠寸前になりかけた息がそう簡単に整うはずはなくて。

めちゃくちゃになった思考回路も朦朧とする意識も、希唯君の所為で正常からかけ離れてしまったものを正常に戻しながらそんなことを言う希唯君を涙で視界が滲む瞳で見つめる。

と、希唯君は言う〝仕返し〟が完了して本当に満足なのか、犬耳をまたぴょこぴょこ生やして、

「かっ…、わっいーいー!」

キャーッ!とあたしをぎゅうううう。


うわわわっ!の、希唯く…っ。

ぽわぽわ、周りにお花を咲かせながら本当に犬が甘えるみたいに頬っぺたを擦り寄せてくる希唯君にさっきのおかしかったあたしからもとのあたしに元通り。

かあっと耳まで赤くなって、ぐいぐいと希唯君を突っぱねる。
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