Love.Love.Loving!

――〝ずっと〟って、いつから?

希唯君が入学してから今まで、あたしは遠目からたまに見てたけど、希唯君は見てるとき一度だってあたしの方に向かなかった。目なんか、合わなかった。

ずっとだなんてありえないよ…。


「香彩また嘘だとか思ってんだろ」


ぎくり。心の中を読まれたあたしは反応してしまう。

そんなあたしに「やっぱり」はぁーっと盛大なタメ息を吐いてくれちゃう希唯君。


『だって…っ』

「嘘じゃないってちゃんと証拠あんだろ?」

『…なに、それ〜…』

「なんで俺が香彩のこと抱きしめてんの?」

『…そ、れは…、』

「野郎の告白邪魔した意味は?」

『…、』

「な?嘘じゃねぇ。俺は香彩が好きなの」


にかっと落ちてくる笑顔。

見える白い八重歯が幼い印象を与えるけど、腰を抱く腕は歴とした男の子のもの。


去った男の子に言われた〝好き〟は胸に響かなかったのに、希唯君に言われた〝好き〟は響いた。

なんで、なんて理由はわからないけど、希唯君も告白してきてくれた今までの男の子たちと同じ。気持ちには、応えられない。
< 15 / 149 >

この作品をシェア

pagetop