Love.Love.Loving!

『他に好きな人がい、』

「っいいです!それでも!」

『え!?』

「付き合ってください!!」

『(ええええ!?)』


自分には好きな人がいると。

付き合えないと。

そう、告げようとした言葉はふわりと茶髪を揺らして勢いよく顔を上げた目の前の男の子に遮られてしまう。

でも、遮ったけど男の子はあたしが言おうとしたセリフを読んだのかそれでもいいと言ってきて。

予想外なこの展開。まさか、こんなこと言われるなんて思いもしなかった。


びっくりして、ぱちぱちと瞬きを数回繰り返したあたしは『で、でも、』慌てて言葉を紡ぐ。


『あたし、好きな人が…、』

「大丈夫です!その人を忘れさせる自信あります」

『(いやいやいや…っ!)』


どこから出てくるその自信。なにが大丈夫なんだ。て、てーか…!あたしの話ちゃんと聞いてよ〜…。


またもや遮られ、言葉通り自信たっぷりの男の子の表情にヒクヒクとあたしの口角はひきつる。

初めてのタイプの男の子。今までの男の子たちは〝好きな人がいる〟と言えば、胸が痛む笑顔を浮かべて〝わかった〟と納得してくれた。
< 2 / 149 >

この作品をシェア

pagetop