Love.Love.Loving!

「響も、俺も。香彩にならどんな迷惑かけられたっていいと思ってる」

『そう、じゃないよ…っ。あたしが嫌な、の』

「別に迷惑かけることが悪いことじゃねぇだろ?」

『そうかも、しれないけど、』

「んじゃ、いいじゃん」

『でも…っ、奏君にも、響にも…っ彼女、いる、でしょ…?』

「……は?」


間の抜けた声を零す奏君。話ながら泣いてしまったあたしはひくっとしゃくりながら落ちる涙を袖で拭う。


さっきから出てきている響(ひびき)とは、奏君の弟であたしと同い年のもう一人の幼なじみだ。

口が悪くて意地悪で。素直じゃないけど奏君と同じで優しいの。


昨日も、今日だって、本当はメールで響に誘われていた。昼飯食うぞって素っ気ないたった一行の黒い文だけで。

でも響には友達もいるし、響だって奏君と兄弟だ。騒がれるぐらいかっこいい。

見たことないけど黙ってるだけできっと彼女がいるはず。奏君にも、だ。

だから、断った。

あたしとお昼ご飯なんか食べてたら彼女さんはいい気しないだろうし。友達いないけど、一人でも大丈夫だから。
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