Love.Love.Loving!

違うと否定したって、また遮られるのがオチ。なんだこれ。3日前のデジャヴじゃないか。


「ま、あいつもかなり束縛激しそうだし」

『…、』

「嫌がらせとか怖いんで、俺は退散しまぁす」


卵焼き美味かった。エッチしろよ香彩〜。

ぽんぽん、と指輪がいっぱいの手で頭を撫でられて、悪戯な笑みを浮かべた奏君はベンチから腰を上げた。

奏君が言ったセリフが、奏君のド勘違いなセリフの所為で呆然とするあたしの耳にワンテンポ遅れて入ってくる。

はっと気づき、ド勘違いは未だ続行して最後に付け足されたセリフにかあああっと真っ赤に染まる頬っぺた。


『かかかか、』

「あ、ガキは作んなよ?」

『…っバカー!!!』


真っ赤になって怒るあたしをケラケラ可笑しそうに笑ってひらひらと奏君は手を振ると行ってしまった。

バカバカ。奏君のバカ。変態っ!


思わずおっきい声を出してしまったあたしは、はぁはぁ、呼吸を乱す。

さっき奏君に卵焼きと交換で貰ったミルクティーをゴクゴクと喉に流し、はぁーっと整える呼吸。

ふ、と手元を見れば思い出したくなかった現実。英語のプリント。
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