Love.Love.Loving!
近づいてきた希唯君の顔を。校内ナンバーワンである王子様の端整な美顔、を。
キスされたくないと強く願った頭はそれをビビビと手に送り、気づけばあたしは思いっきりビンタしていた。
ギュッと目を瞑ってやったから本当に無意識。
だけどもうやってしまったことは仕方がない、と。
あたしは次いで突然すぎてなのか痛すぎてなのか、言葉を失っている希唯君の身体を突き飛ばした。
無防備すぎる希唯君の力が抜けた身体は、押したら地面にドサッと尻餅を突いて。そこで、希唯君覚醒。
[は!?痛…ってぇ!!なにすんだよ!]
[っなに、すんだ、って、あたしの〜…]
[は、]
[…っ希唯君、なん、か、大嫌いぃー…。死んじゃ、え、バカ…ッ]
まだ半分以上入ってるミルクティーをひっつかんで、それを希唯君目掛けてえいっと投げる。
奏君から貰った物だけど…ごめんね奏君。
[…痛っ!!]
上がった悲鳴はミルクティーが希唯君に当たったと教えてくれた。
希唯君ざまぁ。天罰が下ったんだって気持ちいっぱい。べぇーっと舌を出してあたしはその場から走り去ったのだった。