Love.Love.Loving!

走り去った、のはいいけど。

頭の中はファーストキスを奪われた怒りとショックでごちゃごちゃになってて。希唯君から離れたかったってのもあるし。

あたしは犯してはならない、お弁当箱を忘れるっていう失態をしてしまった。


お気に入りだったのに…。でも希唯君に会いたくない。

お弁当箱を取り戻すために希唯君に会わなくちゃいけないなら、あたしはお弁当箱を諦める。

い、嫌だけど、希唯君が使っちゃってください…っ!てな感じで。


そのあとはファーストキスを奪われたのだ。のんきにのほほんと授業を受けていられるはずもなく早退。

家に帰ってきてからあたしはトイレとお風呂以外はずっと自分の部屋で布団にくるまって、今現在、朝を迎えたのだ。


「…香彩、なんかあったのか?」


さっきのイラッとする発言から打って変わり。弟、昴(すばる)は心配するような、優しい音で聞いてくれる。


なんかあったと言えば、うん。大事件だよ。それも超最悪な。

でも、キスされたなんて言いたくない。だって、この期に及んでだけど信じたくないんだもん。
< 46 / 149 >

この作品をシェア

pagetop