Love.Love.Loving!

『…っ、ずばる〜…』


泣きそうになったあたしはやっぱり泣いた。頭を撫でられながら布団にくるまっていた身体を起こして、はらはら雫を落とす瞳で昴を見る。

そんなあたしに昴はぎょっとして、「は、なんで泣いてんだよ」って、そんなの昴がいつもより優しいからだよ〜…。

肩に布団をかけながら驚く昴にベッドの上から身を乗り出して抱きついた。


『…ずばる、っあのねー…』

「うん。てか鼻水つけんなよ」

『わがってるぅー…』

「で、なに」

『あの、ね、…っチュウ、されたのぉ…』

「………は?」


抱きついたことに昴はなにも言わない。あたしが落ち込んだり泣いているとき、ギュッてしたらギュッて仕返してくれる。

それは小さい頃からずっと変わらない昴の優しさ。いくら長くなったって最後までちゃんと話も聞いてくれるんだ。


もう学校に行く準備はできているのか、家の中だけで着る浴衣を脱ぎ捨て昴は白のワイシャツ姿。

あたしの家は昔からの華道一家で。だから家では家族みんな浴衣を着ている。
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