Love.Love.Loving!
昴の肩に濡れる顔を埋めながら認めたくない引き込もっていた理由を言うと、気の抜けた声。
それからほんの数秒間。てん、てん、てん、と間が空いて、「…おい」空気を揺らしたバリトンは低く唸った。
「お前、まさかそんな理由で引き込もってたのか…?」
『うう…。だってぇ〜…』
「ありえねぇ。つーかもう高2だろ」
『っ高2、だよ…?』
「だったらいちいちキスしたぐらいで引き込もってんな」
『っだって、初めて、だったんだよぉ…』
「知らねぇよ。つーかさ、なんで引き込もるわけ?した相手って付き合ってる奴じゃねぇのかよ」
意味わかんねぇ。
そう付け足して埋める肩からあたしの顔を上げさせ、涙いっぱいの瞳には怪訝な表情をした昴の我が弟ながら思う端整な美顔。
眉間にシワを寄せながら「違ぇの?」綺麗な指で瞳いっぱいの涙を拭ってくれる優しい昴のセリフが頭の中に浮かぶ。
――した相手って付き合ってる奴じゃねぇのかよ。
その答えはノー。だって、希唯君が勝手に決めたことだもん。あたしは、希唯君の彼女なんかじゃない。
それに、希唯君には彼女がいる。