Love.Love.Loving!

自分を守るとはいえ、嘘をついていることは事実。心に罪悪感が芽生えて、あたしは響から目を逸らして言う。


「んなもん、学食で食えばいいだろ」

『…っでも、お金、ない、し…』

「じゃあなんでコンビニ行くんだよ」

『…、』

「嘘ついてんじゃねぇよ。なに。迎えにきて迷惑だった?」


…違う。違う。違うよ響…。

迎えにきてくれたのを迷惑なんてこれっぽっちも思ってない。ほんとにほんとに嬉しいんだよ。

でも、あたし、自分のことしか考えてないから上手く言えなくて。めちゃくちゃ下手くそな嘘しかつけなくて。


怒気を孕んだ声色の中、悲しげな色も混ざっていたそれに胸がギュッと締め付けられた。キリキリ、痛い。


響のセリフにかぶりを振る。ぽたぽた、アスファルトに染みを作っていく涙。

迷惑かけたくないとか言って、それは口だけで。現実はかなり迷惑をかけている。

あたしが弱いままだから?強くないから?だから口では偉そうなこと言うくせに、実行できないの?

それなら本当にダメじゃん。あたしって。


「…香彩」

『…っ、』

「お前昨日、兄貴に言われたんだろ」
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