Love.Love.Loving!

「迷惑かけることは悪いことじゃないって。兄貴も俺も、お前になら迷惑かけられてもいいって、マジでそう思ってる」


だから、しょうもねぇこと考えていちいち泣いてんじゃねぇよ。

何年幼なじみしてんだ。もう迷惑かけられ慣れてるっつーの。


俯きながら泣くあたしに降ってくる声は奏君と同じ。温かくて優しい音。しとしとと心に染みていくそれ。

くしゃくしゃと髪を撫で乱す大きな手にさらに涙を零すあたしは『…っ響ーっ』くしゃくしゃの顔で響の胸に飛び込んだ。


「っは！？ちょ、おま、」


いきなり抱きつかれて素っ頓狂な声で慌てる響。

でもそんなのお構い無し。『っありがとー…』ごめんねも思ったけど、ありがとうが今一番伝えたい言葉。


「――…おう」


ぶっきらぼうな返事。それが響らしくて、きっと今響を見たら照れくさそうに目の下を掻いてるんだろうな。

ちらり。響の胸から顔を持ち上げたら、やっぱり。響は頬っぺたをほんのりピンク色に染めて目の下を掻いていた。

そんな昔から変わらない癖をする響を見たら、自然と涙は引っ込んで笑顔を浮かべていたあたし。