Love.Love.Loving!

「…んじゃ、先行っとけ香彩」

『え?』


照れている響を笑ったら「笑ってんじゃねぇよ」って、軽いチョップをあたしは頭にいただいた。

それに痛い、と響の見た目より広い背中に回していた手で頭を押さえヤジを飛ばせば、響はハハッと笑い、それからさっきのセリフを言われたのだ。


先行っとけ、って、え。コンビニに?

思った疑問が首を傾げた顔に出てたらしい。「バカ、学校だよ。がっこーうー」なーんて。二回も言わなくてもわかるよ!

しかもまたバカって。絶対響の口癖は〝バカ〟だ。古典のテスト14点のくせに。ちなみにあたしは76点。得意科目だ。


「お前、顔に出すぎ」

『感情性豊かなのっ』

「ぶっ。そうだな。バカ丸出しって感じ」

『なによぉ!響のがおバカのくせにー!』

「ふざけんな。お前よりいいっつーの。つーか、話脱線してる」

『(…響が悪いんじゃん…)』

「お前、金ないしコンビニにほんとは用ないんだろ?俺、用見つけたから先行ってて」


え…。ひび、き…?
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