Love.Love.Loving!

見た目かなり派手。

だが自分の意見は絶対に貫く気強い性格に、クラス委員をしているしっかりしたところから、彼女はクラスでもグループでも中心的存在なのだ。

2年で同じクラスになって、だけど今日まで一言も話したことがなかった立花さん。…なんで?


ハテナマークを浮かべながら、すらっとモデルさんみたく細くて背の高い立花さんから漂う威圧感みたいなものが怖い。

幸いなことに、立花さんといつも一緒にいる同類の子たちがいないことが救いだ。


『…っなん、ですか…』


いきなり声をかけられたことへの驚き、不思議。その感情を勝る怖いと思う感情。

あ、あたし、なにかした…?

記憶を遡っていったって、立花さんとは喋ったこともないし、席も離れているからなにかしようともできない。ていうかしようとか死んでも思わない。


小さく掠れた声で疑問符を返したあたしに、立花さんは感情を――…静かな怒りを顔に乗せて「あのさー、」口を開く。


と。

「HR始めっぞー」


キーンコーン…っと校内に鳴り響いたチャイム。鳴った瞬間に教室に入ってきた担任の赤野正愛(あかの まさむね)先生。通称マサ君。


た…助かったー…。
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