Love.Love.Loving!

マサ君を見て、ほっと胸を撫で下ろしてしまうのは仕方がないだろう。

登校してマサ君が来るまでザワザワと騒がしかった教室は、マサ君に向けての〝おはよー〟って声が飛びながらクラスメートたちが席に着いていくことで落ち着いていく。

目の前に立つ立花さんは、それにチッと盛大に舌を鳴らした。


「またあとでね」


ふわりとくるくるの金髪を宙に靡かせ、一言予告すると自分の席に歩いていった立花さん。怖い。

またあとで、なんて、怖い以外に言葉が出てこないんですけど!


なに言われるんだろ――…って、疑問に思うこと僅か数秒。

立花さんは奏君、響、校内ナンバーワンである希唯君の例外なく虜になっている女の子だ。

言われることは、きっとその中の誰か一人は絡んでいる内容だろう。

一番希唯君が確立的に低いけど。だって、誰にも見られてないはず。噂も耳に入ってきてないし。


『(はぁああー…。憂鬱)』


はぁ、と重たいタメ息を吐き出して、あたしも席に着いたのだった。もう帰りたい…って気持ちいっぱいで。
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