Love.Love.Loving!

子供みたいに笑ったかと思ったら、困ったように眉を下げ、苦笑混じりの微笑を希唯君は浮かべて見せる。


うん、ほんとに、そうだよ。

――…なんて、言えるはずもなく。頬っぺたを包まれているから頷くことも首を横に振ることもできないあたしはただ希唯君を見つめるだけ。


と。

「昨日は…その、ごめん、…なさい」


あたしに真っ直ぐ落ちてきていた双眼はそっと伏し目になり、開いた赤い唇からは謝罪の言葉。

〝ごめんなさい〟って、謝る希唯君はきっと普段あまり謝ることがないんだろうな。

しゅんとして、ごめんなさいと紡がれた言葉は不器用に、まるで小さな子供が怒られたときの様。


なんか、希唯君、

『(かわいー…)』


ふわふわのココア色にぴょっこりと垂れた犬耳が見えてしまう。端整だけど、瞳はぱっちりで可愛い系の顔をしているから余計にか。

ぱちぱちと瞬きを繰り返し、謝ってくれている原因そっちのけで、可愛いもの大好きなあたしは今の希唯君にキュンッ。


なにも言わないまま、ただしゅんとする希唯君を下から見つめていれば、


「香彩、ちゃん…?」

『(はう…!)』


伏し目だった瞳が露わになり、かつーんとかち合ってしまった。
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