Love.Love.Loving!
キュンとして可愛い希唯君に見惚れていたあたしの身体は急なことに後退りしようとする。
けど、キュッ、と床を鳴らして片足を後ろに引いたあたしを希唯君は気にも留めず。
「…なんか言ってよ」
謝ったことに対してなにも言わないあたしに怪訝な表情で言葉を求めた。すみません。
『…、え、っとー…、』
「…、」
『…、』
「…、」
困った。言葉を求められたけどかなり困った。どうしよう。
希唯君の可愛さのあまり〝ごめんなさい〟の意味そっちのけだったあたしはなにを言ったらいいのだ。
謝ってくれたんだから許す?〝いいよ〟って言う?
でも、大事なファーストキスを奪われたんだよ?簡単には許せないって気持ちは抜けていない。健在中だ。
あーだこーだううん違う。許す許せない。いろいろと言葉が絡まりなにを言えばいいか困惑する頭の中。
「…やっぱ、許してくれない、よね…?」
入ってきたそれにはい、カーン。右フックでやられてあたしはノックアウト。ななななんだその可愛さ…っ。