Love.Love.Loving!
ビクビク、怖さに震える身体に、視界がぼやける潤んだ瞳。
希唯君ってこんな感じだったの…!?
遠目から見ていたときは女の子たちが〝王子様〟って騒ぐのに頷けるほど、笑顔とかが柔らかくて優しそうな印象だったのに。
それとはまるっきり印象が違う希唯君に驚きを隠せない。
そりゃ男の子だからさ?口がちょびーっと悪いのは仕方がないと思うけど。
希唯君はちょびーっとどころじゃない。かーなーり。スーパーに口が悪い。
今だって、あれだけ容赦なく毒を吐いたのにまた希唯君は、「まだ居んのかよ。なに?殴られてから行きたい?」って。希唯君!?
『ななな殴っちゃダメだよ!?』
「…香彩ちゃん、あいつの見方すんの」
『え!?えっ、とー…、』
「…、」
『(うん、って言った方がいいの!?で、でも、うううー…。目が怖いよぉ…)』
「…ま、いーや。さっさと行けよバーカ」
見上げる先で血色のいい赤い唇を開いて暴言を吐く希唯君。
希唯君に見下げられたときは心臓がドクンッ、と跳ねて、息が止まるかと思った。
〝しねぇよな?〟と訴えるブラウンの瞳に泣きそう、というか涙が下瞼に零れるぐらい溜まった。