Love.Love.Loving!
「なぁに?」
恥ずかしくって。顔をこれでもかというぐらい真っ赤にして。
希唯君の行動に困惑と怒りを覚えているあたしに対し、希唯君は余裕たっぷり。にやにやにやにや、無駄ににやつく。
バカ野郎!バカバカバカバカ変態!あんぽんたん!サイテー!
なーんて、心の中で毒づいたって、口に出さなきゃ希唯君にダメージを負わせられない。
浮かんだ涙で滲む希唯君の胸をベチッと叩いて、そのまま距離を保つためそこに手を突いておく。
が、希唯君はその手をすぐに掴み、宙へ掲げると、ぐんっと美顔を近づけてきた。ニヤッと悪戯に口角が上がって。
『ん、な、の、』
「香彩、恥ずかしい?」
『そ、そそそ、』
「そ?」
『は、は、恥ずかしい…、よっ』
当たり前の質問に、めちゃくちゃどもりながら答えたあたしの瞳は間近の希唯君から外れる。
ふいっと横を向いた相変わらず真っ赤な顔には「そっか」短い返事がぽにっとぶつかった。
『(うう〜…。そっかじゃないよぉ…っ)』
早く離れてほしくて離れてほしくて。
キスされたことも忘れてないけど、今はギュッと目を瞑って離れてくれることを待つあたし。