Love.Love.Loving!
そして、なにもしてないのに希唯君にぼろくそに毒づかれた理不尽すぎる男の子はこの場を去らないわけにもいかず。
ていうか去るっていう選択の余地しか希唯君が与えなかったため、希唯君に睨まれながらなにも言わずに去っていった。
『(…可哀想…)』
希唯君に抱きしめられているあたしがそう思うのは間違っているのかもしれないが。
でも、希唯君酷い。
そりゃ男の子しつこくて、好きな人を諦めて男の子と付き合わなきゃダメなのかとか思って泣いちゃったけどさ?
でも、いきなり現れて全く関係のない希唯君が男の子にあそこまでぼろくそに言う必要性なんかないし、言う権利もないと思う。
希唯君がこんな人だって思わなかった…。
お腹に回されている希唯君の腕をぺちぺちと叩いたり、んーっと離そうとする。
けど。
「ダーメ。離さないよ?」
さらに回る腕にギュッと力を込められ強く抱きしめられて、ぴったりと今までよりも希唯君の身体に背中はくっ付いてしまう。
ムッとしながら濡れた瞳で希唯君を睨んだら、「なんで怒ってんの?」きょとんと不思議そうな表情。
『…っ希唯君酷い』
そう言ったら、希唯君はぱあっとキラキラの笑顔を咲かせた。