四葉のクローバー
それぞれの道
海に着いた二人はずっと黙ったまま
海を見ていた。

すると海から朝日が昇ってきた。

「わ~キレイ!
 海から昇ってくるのって
 始めて見た。」

少し微笑みながら朝日を見ている
夢を見て、希は少しホッとした。

「良かった。ここに来て。」

「・・アリガトネ。
 希君だってつらいのに・・。」

「・・少し歩かない?」

そう言って夢と二人で
海辺を歩き始めた。

「・・俺、正直ホッとしてる。
 サエとは考えられなかったから。
 遅かれ早かれこうなることは
 分かってた。
 俺ってひどいだろ!」

「・・うん。
 でもそれで一緒になっても
 逆につらいよね。
 っていうか、失礼だよ!」

「はは・・。だよな~。
 ・・昔・・一度だけ
 本気で結婚しようとした子が
 いたんだ・・。
 夢ちゃんみたいに
 学生のときから付き合ってたんだ。
 で、社会人になって
 合う回数が少なくなっていって
 だんだん離れていくような気がして
 あせってたのかもしれない・・
 少ない給料から、少しずつ貯めて
 彼女の誕生日に
 プロポーズしようと決めてたんだ。
 したら、親が決めた相手と
 さっさと結婚しちゃって。
 そのときは、へこんだね・・
 立ち直れないかと思ったぐらい。
 すげー好きだったんだ・・
 で、そんな時サエに出会って
 付き合うことになって・・
 でも、無理だった。
 それ以上の気持ちになれないって
 いうか、そんなことで付き合った
 俺もひでーよな・・。
 だから
 サエには幸せになってもらいたい!
 それが俺の本音・・。」
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