四葉のクローバー
夢は買い物を終え歩いていると
希が走ってきた。

息を切らせながらいる希に夢は

「・・・大丈夫?」

「・・ずっと・・家から・・
 走りっぱなし・・。
 早く・・会いたかったから・・。」

「・・え?」

夢は驚いてそれ以上
言葉が出なかった。

希は落ち着きを取り戻し
夢を見つめ
ゆっくりと自分の気持ちを
話し始めた。

「やっと会えた。
 長かったな・・俺の中では。
 もう、会えないんじゃないかと
 思ってたよ・・・。
 本当は最後の日
 夢ちゃんに気持ちを
 伝えようとしてたんだ・・
 でもできなかった。
 その後、すげー後悔した。
 追いかけることも
 その前に止めることも
 できなかった自分が情けなくて・・
 なにやってんだ俺は、って
 ずっと悔やんでた・・。
 でも、冷静に考えたら
 後先考えずに
 彼氏でもなんでもない俺が
 迷惑かけることをしなくて
 良かったって
 そう思うことで
 前向きになれたんだ。」

夢は下を向いて
こみ上げる感情を抑えて
聞いていた。
 
 
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