四葉のクローバー
「でも、忘れたことは
 一度もなかった。
 寂しさ紛らわすために
 仕事に没頭して・・
 でも、仕事終わって家に戻ると
 夢ちゃんのこと、思い出すんだ。
 たわいもない生活が
 どんなに楽しかったか・・
 一緒に料理したことや
 海に行ったこと
 話したことすべて・・。
 いなくなってから
 それがすごく大事なことだったと
 気付いた・・。
 いや、本当はいなくなる前から
 分かっていたんだ。
 自分の気持ち。
 ただ、素直になれなくて
 言い出せなかった・・。
 だからもう後悔したくない!」

希は夢を強く抱きしめた。

そして耳元で・・

「愛してる・・
 もう、離れたくない・・。」

希はつぶやいた。

夢は我慢していた気持ちが
一気にあふれだし、涙した・・。

「同じ・・
 私も希君と同じ
 気持ちだったの・・。」
 
夢は希の顔を見つめ微笑んだ。 

 


 
 
 
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