わがままいって困らせて【短】
わがまま
「咲、ゴメン!」
琉は顔の前で手を合わせる。
「嫌よ。あたしを待たせるってどうゆうこと!?」
いつもみたいに琉が家に迎えにくると思って待ってたのに。
10分待っても、15分待っても来ないからあたしは琉の家まで迎えにきた。
「ゴメンって。」
「琉があたしを迎えに来て学校行くって約束じゃない。」
謝る琉をおいて先に学校に向かう。
「さーきっ。」
そんな可愛く名前呼んでも許してあげないんだから。
「…ケーキ。」
「ん?」
「帰りにケーキ買ってくれたら、許してあげる」
「いくつでも買ってあげる!」
行こっか。そう言ってあたしの手を握る。
少し照れたようにあたしの手を握っている、琉
何度手を繋いでも慣れない。
琉と繋ぐのは。
…琉と出会ったのは一年前
中学に入学して同じクラスになって。
入学して少しぐらいたってから話すようになった。
告白してきたのも琉から。
体育祭のリレーで一位になったらお願い聞いて
って言われて。
見事一位になった琉が言ったお願いは
「俺と、付き合って。」
顔を真っ赤にして、それでもあたしの目を真っ直ぐ見ていう琉がかっこよくて。
しかも、前から気になってたから嬉しくて泣きながら
「うんっ!」
って言ったのを覚えてる。
あれからもうすぐ1年
.
< 1 / 17 >