わがままいって困らせて【短】
「咲?」
「なに?」
「ぼーっとしてたから」
「何にもないっ」
そう言って笑うと琉も笑ってくれる。
この琉の笑った顔があたしは好き。
あたしのたくさんのワガママ聞いてくれるやさしい琉はもちろんモテる。
勉強できるし、運動神経抜群で、顔もカッコイイ。
こんな人を周りがほっとくわけがない。
周りの人にも優しくて、頼まれたらなんでも聞いちゃうから。
モテるにきまってる。
そのことを琉は気づいてないから、なおさら困る
琉をとられたりどうしようって不安でしょうがない。
でも、琉はあたしが大好きだから他の子のとこなんか行くはずないの。
そんなことを思ってたら学校に着き、あっという間に今は三時間目。
琉…、何してるかなぁ…
窓際のあたしの指定席。
空を見上げ、考えのはいつも琉のこと
琉とはクラスが違うから当たり前に受けてる授業も違うし、いる場所も違う。
一年のときは同じクラスだったのに…。
先生たちの意地悪…。
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