愛のカタチ


「あのっ!私帰ります!
大丈夫ですから!」

横にあった自分のバックを掴み立ち上がった瞬間…右手を掴まれた。

お互いの顔の距離10センチ。

「あ、あのっ。」

瀬戸支店長は私の手を掴んだまま、距離を縮める。

「美波ちゃん、彼氏いる?」

「いっ、いません。」

「じゃあ好きな人は?」

「い…ません。ひゃぁ!」

ぽすっと軽い音をたて、押し倒される。

上から見つめる瀬戸支店長の顔は、会社では見た事のない男の顔になっていた。

「ちょっ、あの…。」

まだ完全に醒めていない酔いと、高鳴る鼓動に言葉が上手く出ない。

「俺の事、どう思う?」

長い睫毛が妖艶に見えた。


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