愛のカタチ
もうすぐ終業時間という頃に、上戸さんから声が掛かった。
「悪いけどこれ、林(はやし)さんが行ってるスタジオに届けてくれない?」
A4サイズの茶封筒と住所が書かれた紙切れを渡された。
上戸さんの話しでは、営業の林さんが忘れた書類を届けて欲しいとの連絡があった、との事。
新しい営業用のパンフレットに載せる為の物らしい。
「そのまま直帰していいから。」
「…はい。」
そう一番新人の私には、拒否権はない。
面倒な雑用は、私の仕事なのだ。
バスで3つ先の停留所降りたら目的地辺りだ。
急いで着替えて、会社を出た。