愛のカタチ


あれ?

この人どこかで……。

私とその人の間で、一番不思議顔をしていたのは林さんだった。

「俺だよ。野口修吾(のぐちしゅうご)だよ。」

その名前はすぐに思い出せた。

「野口…先輩??」

「ああ、久し振りだね。」

変わっていない、野口先輩。

いや、ひとつだけ髪型が思い出のなかと違う。

「丸刈りじゃないんで解りませんでした!!」

そう言うと野口先輩は声を出して笑った。

野口修吾先輩。

高校のときの、バレー部の先輩。

先輩は二つ上だから、一年しか一緒に過ごさなかったけど、彼は私の恩人と言っても過言ではなかった。

「そうだよな、俺高校の時丸坊主だったからな。」


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